「PULL」は、さまざまな視点から演劇を考え続ける場です

Home 横山拓也さん(売込隊ビーム作・演出)
演劇人インタビュー / 横山拓也さん(売込隊ビーム作・演出)
2010年 8月 08日(日曜日) 18:34

大阪で15年を数える実力派劇団、売込隊ビームの作家演出家である。
15年間劇団の公演作品をほとんどを手がけている。
主催は役者山田かつろうで二人は高校からの同級生だと言う。かつろうさんはローカルタレントとしてKBSでも活躍中。
一昨年度の劇作家協会新人賞をプロデュース公演の「エダニク」で受賞。大阪でのみの公演だったため、私も未見だが、今夏王子小劇場でオリジナルキャストによる再演が決まっている。
彼の作品は軽みにあふれ、笑いも多いが、軸になる世界や設定は骨太で筆力のある本をものす。人間を描くだけでなく、深くえぐった筆は社会性にも届く。軽みと深さを同時に現す本の書き手である。

最初に見たのは、下北沢劇小劇場、後で知ったが04年から毎年、大阪での本公演に合わせ東京にも持ってきていたようだ。なかなか採算のとれない東京公演を継続するのはたいへんなことだと思う。
見に行くようになったのは、仲が良い役者、現在イキウメにいる窪田道聡が客演したことによる。それで話したのが知り合いになった初めである。演出はまっとうなキチンとしたものであったが、とにかく本が気が効いていたのが強い印象に残っている。今年の新人賞も名古屋、大阪の作家、うーん東京勢どうした。優れた才能には活動場所は関係ない。
横山さんをよろしくお願いしたい。
(カトリヒデトシ)

※「演劇人インタビュー / 横山拓也さん(売込隊ビーム作・演出)」をダウンロードする(mp3,38.7MB)
↑をクリック

 
横山からPULLへ
大阪の劇団、売込隊ビームがはじめて東京公演を打ったのは2004年夏。旗揚げから8年、当時は大阪で「売込隊ビームは東京の方が受ける」とか「作風が東京っぽい」なんて言われて、そうなのかーって思っていたのですが、実際やってみたら全然そんなことなくて、そもそも「東京っぽい」ってなんだ?って思いました。
それはともかくとして、僕らの東京公演第一弾は「13のバチルス」という作品で、会場は下北沢駅前劇場でした。物語は、とある郊外のニュータウンに作られたシェルター見学会の最中に、実際に外で原因不明の喘息が大流行し、シェルター内に残された人たちが追い込まれていくというお話なのですが、話の後半で元々風邪をこじらせていた役者の体調が悪化し、それが芝居中に他の役者陣に伝染して芝居がムチャクチャになっていく…という、いわゆるメタ構造の演劇でした。
大阪でお世話になっている制作の方の協力もあり、最初に駅前劇場でやらせてもらえたのは幸運だったと言っていいかもしれません。下北沢は大阪の演劇人には憧れの町で、というのは僕たちだけだったのか…、いやきっとみんなそうです。
大阪から来た無名劇団の僕らはいつも集客に苦労していて、下北沢の町でチラシを撒くなんてこともしましたが、チラシだけじゃもらってもらえないという意見が出て、「うまい棒」をホッチキスでチラシに付けて配るという姑息な手段を実践してみたり、女優にコスプレみたいな衣装を着させたり…。やってました、そういうこと。
その後、数年は駅前劇場を中心にしながらも、新宿モリエール(「タマゴよ、みな鳥になれると思うな」「マーチ!」)や中野MOMO(「コクジンのブラウス」)などで打ったり、パルテノン多摩小劇場フェスティバル2005(「大家族スペシャル」)に参加させていただいたり、ときにはお笑いライブなどが行われる渋谷のシアターD(「セブンルームス」)でもやったことがありますが、今はやっぱり下北沢に落ち着いて、「劇」小劇場でお世話になっています。
2011年4月には新作「俺のカー・オブ・ザ・イヤー」を上演します。東京っぽくもなく、かと言って大阪っぽくもない、売込隊ビームっぽいお芝居です。ぜひぜひご来場ください。なんて、宣伝してしまいました。すみません。
 

 
バナー